血圧

降圧治療で使う薬と副作用①

降圧治療が必要な場合

生活習慣の改善などで血圧を十分に下げられないときには、降圧薬を使います。

降圧薬治療を選択するタイミングは人によって異なります。

高血圧の治療は、脳出血脳梗塞心筋梗塞などを防ぐことにも重点を置いています。血圧を高いままに放置しておくことで引き起こされるこれらの病気は命にかかわることもあるからです。

したがって、これらの病気になるリスクが高いかどうかで降圧薬治療のタイミング決まるのです。重症な高血圧の人をはじめ、中等症の人でも脂質異常症や肥満、喫煙などの危険因子が1~2つある人、軽症の人でも糖尿病を併発している人は高リスクなので、降圧薬による治療を行います。

危険因子をもたない中等症の人や、軽症の人でも危険因子が1~2つある人は中等リスクの人として一ヶ月程度の生活改善を試みたうえで、改善が認められない場合は降圧薬治療に入ります。軽度の高血圧で、ほかに危険因子や臓器障害、心血管病がない人は、低リスクと考えられるので、三ヶ月程度生活習慣の改善を行って、改善されない場合は降圧薬治療を開始します。

「高血圧の薬は止められない」「副作用が怖い」と、薬物治療を避けたがる患者さんも多いものです。しかし、適切な治療を受けずにいると、高血圧が進んで、かえって強い薬を飲まないといけない状況になってしまうものです。早くから治療をスタートすることで、薬も少なく経済的な負担も軽くするので、医師とよく相談のうえ、指導を守るようにしましょう。

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病態と降圧目標を考慮して、薬を選択

降圧薬は、高血圧の程度やそのほかの病気の有無などにより選択されます。

降圧薬で下げる血圧の目標は、140/90mmHg以下です。

ただし、糖尿病や慢性腎臓病患者のうち、たんぱく尿が出ているような心血管病のリスクの高い人では、130/80㎜Hg以下になります。

また、75歳以上の後期高齢者の場合、まず150/90㎜Hg まで下げることを考え、その後140/90㎜Hg以下を目指します。

薬は基本的には1日に1回の服用で済み、薬の成分が低用量のものから選択することになります。

治療開始の血圧と降圧を目指す目標値の間に20/10㎜Hg以上の差がある場合は、はじめから複数の薬を処方されることもあります。

糖尿病や腎臓病などほかに病気を合併している場合は、その治療のための薬との影響や服用できない薬などもあるので、血圧が同じでも薬の選択は変わってきます。またしばらく薬を服用しても降圧効果が認められない場合は、違う薬を選択します。

一つ注意しておきたいのは、降圧薬を服用することで血圧が正常値になったとしても、それは「高血圧が治癒した」わけではないということです。血圧が下がっているのは薬の作用であり、服薬と通院は続ける必要があります。

また、降圧薬治療を始めたからといって、運動や食事などの生活習慣の改善は止めてもよいものではありません。むしろ使う薬の数を増やさないためにも、引き続き正しい生活を送るように心がけましょう。

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降圧薬は大きく分けて2つのタイプがある

高血圧の治療に使われる降圧薬には、さまざまな種類のものがあります。しかし、その作用により、大き2つのタイプに分かれます。

一つ目は、末梢血管を広げることで、血圧を下げるタイプの薬です。

血圧が高くなる原因の1つが血管が固くなったり、血液が流れにくくなり、「血管抵抗」が高まることです。

一つ目のタイプの薬は、末梢血管を広げることで、血管抵抗が低くなるようにし、血圧を下げることにつながるもので、「カルシウム拮抗薬」「ARB」「ACE阻害薬」「α遮断薬」があります。

二つ目は、心臓から送り出される血液の量を減らすことで、血圧が上がるのを防ぐタイプの薬で、「利尿薬」と「β遮断薬」があります。

利尿薬はナトリウムの排出を促すことで血液量(心拍出量)を減らします。β遮断薬は、交感神経に働きかけて心臓のポンプ機能の回数を減らします。

医師はこれらの薬から、患者さんの症状に合わせて1種類を選んだり、複数を組み合わせて処方します。

高血圧に効く降圧薬には、市販薬はありません。必ず医師の診断と処方が必要です。

また、誤った飲み方をすると血圧が下がりすぎて意識を失う危険もあります。また、高血圧の薬は長期の服用が必要なこともあり、副作用への不安もあります。

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血管を拡張させる「カルシウム拮抗薬」

血管を広げる薬の中で、最初に使われることが多いのが、「カルシウム拮抗薬」です。

カルシウムが血管壁の中に入り込むと、血管の平滑筋が収縮して血液の流れが悪くなり、血圧が上がります。カルシウム拮抗薬は、カルシウムが血管壁に入ることを防いで、高血圧を改善します。

もともとは、狭心症に使われていた薬で、服用すると、末梢血管だけでなく心臓の血管も広げる働きがあります。

カルシウム拮抗薬は、構造と作用によって、「ジヒドロピリジン系」と「ベンゾジアゼピン系」の2つに大きく分かれます。

ジヒドロピリジン系は、強い血管拡張作用があり、降圧薬全体の中でも一番降圧効果が高いものです。

動脈を拡張するための臓器の血流も保たれるので、脳や心臓、腎臓などに障害があったり、高齢の人によく使われます。

ただ、作用が強いので、頭痛や動悸、頻脈、下肢のむくみ、顔のほてり、歯肉の腫れなどの副作用が出ることもあります。なお、静脈には作用しないため、立ちくらみなどは起こさないとされています。

ベンゾジアゼピン系は、心臓に強く作用して脈拍を抑える薬です。ゆるやかな降圧作用をもちます。

頭痛や下肢のむくみ、徐脈や房室ブロックなどの副作用が起きることがあります。

どちらのカルシウム拮抗薬でも、服用するときは、グレープフルーツや生のグレープフルーツを飲んだり食べたりしてはいけません。

グレープフルーツに含まれるフラノクマリンという成分が薬の効果を強く継続させるため、血圧が過剰に低下したり、頭痛やめまいが起きることがあるためです。ジュースも同様なので注意しましょう。

ジヒドロピリジン系
・血管を広げる
・降圧効果が高い
・頭痛や動悸、頻脈、下肢のむくみ、顔のほてり、歯肉の腫れなどの副作用があることもある。

製品名:アムロジン、ノルバスク、アダラートカプセル、アダラートL、アダラートCR、バイミカード、バイロテンシン、ペルジピン、ペルビジLA、ニジバール、カルブロック、カルスロット、ランデル、アテレック、サプレスタ、コニール、スプレンジール、ムノバール、ヒポカ

ベンゾジアゼピン系
・心臓に働き、脈拍を抑える
・降圧効果はゆるやか
・頭痛や下肢のむくみ、徐脈や房室ブロックなどの副作用があることもある

製品名:ヘルベッサー、ヘルベッサーR、
禁忌:徐脈(非ジヒドロピリジン系)
慎重使用例:心不全

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