内臓脂肪

内臓脂肪はどんな病気を引き起こす?!男性の内臓脂肪と減らすには?

問題なのは「内臓脂肪」太り

太っていることが必ずしもマイナスであるとは限りません。特に少ない食料で生き延びなければならない状態に陥ったときには。

しかしながら、「まずい太り方」も存在します。それが「内臓脂肪」太りです。

脂肪には2種類ある

そもそも脂肪には「皮下脂肪」と「内臓脂肪」があります。皮下脂肪は皮膚のすぐ下にたまる、つきにくく落ちにくい脂肪です。

一方、内臓脂肪は言葉のイメージから内臓の中にある脂肪だと思っている人がいますが、蓄積されるのはお腹の空間内、腸の周辺です。

そもそも脂肪は余剰エネルギーをストックしておく倉庫のようなものです。内臓脂肪も脂肪細胞の集合体です。ひとつひとつの脂肪細胞には中性脂肪が詰まっていて、急にエネルギーが必要になったときにすぐに使うことができる頼もしくて便利な存在です。

 

お腹が出ている=内臓脂肪がついている?!

 

内臓脂肪が増えることの問題のひとつは、「メタボリックシンドロームになる」ということです。

メタボの判断基準は、おへそまわりが男性で85センチ以上、女性で90センチ以上あるということ。つまり「お腹が出ている」人はメタボ=内臓脂肪型の状態にあるということです。

内臓脂肪が多いかどうかの判断基準としては、前述のおへそまわりが男性85センチ以上、女性90センチ以上のほか、ウエストとヒップの比率が男性1.0以上、女性0.8以上、BMIが肥満を示す26.4以上というのもあります。

とはいえ、見た目で端的に言うなら「全体にデブ」「お腹が出ている」などは怪しいということです。

しかし、内臓脂肪は「つきやすすく落ちやすい」脂肪です。がんばって落としていきましょう。

 

ポイント

○|「内臓脂肪」が多いと「腹が出る」!
○|内臓脂肪はつきやすく、落としやすい!

 

 

皮下脂肪と内臓脂肪の役割

皮下脂肪 内臓脂肪
共通の働き
・エネルギーをたくわえる
・さまざなま物質を分泌して生体の機能を調節する
・ビタミンの吸収を促す

固有の働き
・防寒と体温の維持
・体への衝撃をやわらげる
・ビタミンDの合成
・女性ホルモンの合成

・内臓の位置を固定する
・内臓への衝撃をやわらげる
・やせホルモンの分泌を抑える
・デブホルモンの分泌を増やす

内臓脂肪は「やせホルモン」を殺す!

内臓脂肪が増えることのデメリットは様々です。

見た目には「お腹が出る」ということもそうですが、それ以外のデメリットは「役立つホルモンの働きを悪くする」ということ。

内臓脂肪には、ホルモンを出す役割もあります。内臓脂肪が分泌するホルモンはさまざまな種類があるのですが、ホランライは身体の機能を維持するために働きます。

しかし肥満によって内臓脂肪が大型化したり数が増えたりすると、逆に悪玉となって作用するようになったり、役立つホルモンの分泌が減ったりし、健康にダメージを与えるようになるのです。

たとえば、脂肪細胞が分泌するホルモンの中に「レプチン」という食欲を抑えるホルモンがあります。肥満になると食欲を抑えるべく、レプチンが盛んに分泌されるようになります。

しかし、内臓脂肪が過剰に貯まると、なぜか食欲を抑えるはずのレプチンが効きにくくなります。その結果食べ過ぎて肥満が加速してしまいます。これを「レプチン抵抗性」といいます。

また、脂肪を燃焼させる働きがある「アディポネクチン」というホルモンも、脂肪細胞から分泌されています。このアディポネクチンも、内臓脂肪が増えると分泌量が減ってしまいます。

つもり、内臓脂肪はレプチンとアディポネクチンという2つの“やせホルモン”の邪魔をしてしまう、過激にいえば「やせホルモン」を殺してしまうのです。

内臓脂肪が増えるとやせホルモンが減るということは、やせにくく太りやすくなるということです。太って内臓脂肪がたまり、内臓脂肪によってますます太ってくる…。太るスパイラルに陥ってしまいます。

ポイント

○|内臓脂肪がやせホルモンを殺す
○|内臓脂肪がデブ・スパイラルを完成させる

 

内臓脂肪は生活習慣病を引き起こす

内臓脂肪は生活習慣病の原因にもなります。たとえば、糖尿病です。“やせホルモン”として前述した「アディポネクチン」は、傷ついた血管を修復したり、インスリンの働きをよくして血糖をコントロールしたりする役割も担っています。しかし、内臓脂肪が増えると分泌が減り、インスリンの働きが悪くなります。

 

また、「TNF-α」という、本来は腫瘍細胞を壊死させ免疫力を高める働きをしている物質があるのですが、これも内臓脂肪が増えると、脂肪細胞を増やしたりインスリンの働きを悪くしたりします。

 

こうして内臓脂肪が増えると、糖尿病のリスクも高まります。

ところで、脂肪細胞がどれだけアディポネクチンを分泌できるかは、内臓脂肪の蓄積量だけでなく、遺伝子の影響も受けています。

残念ながら日本人の場合、約40%がアディポネクチンをたくさん分泌できない遺伝子を持っていて、そうでない人と比べてアディポネクチンを3分の2程度しか分泌できないそうです。

さらに日本人を含むアジア人は、インスリンの分泌量が欧米白人の半分から4分の1程度しかないとも言われています。

つまり、我々日本人は、もともと糖尿病に対してハイリスクな人種です。さらに内臓脂肪が蓄積すれば、命を危険にさらすことになりかねません

内臓脂肪が増えると高血圧、脂質異常症にもなる

内臓脂肪による悪影響はさらに続きます。脂肪細胞が分泌している「アンジオテンシノーゲン」というホルモンは、もともとは体内の水分と塩分のバランスを調整しています。しかし内臓脂肪が増えると血管を収縮させ、高血圧のリスクを高めます。

 

また、内臓脂肪が分解してできた「遊離脂肪酸」という物質は肝臓に取り込まれてコレステロールや中性脂肪を作りはじめます。血液中の中性脂肪が増えると善玉コレステロール(HDL)が減って悪玉コレステロール(LDL)が増え、血中のLDL値が高くなり脂質異常症にもなります。

 

このように内臓脂肪は、糖尿病・高血圧・脂質異常症の「三大疾病」と深く関わり、ひいては血管を硬くする動脈硬化につながって、脳梗塞や心疾患といった命に関わる病気を引き起こす。

ポイント

○|内臓脂肪の蓄積は糖尿病・高血圧・脂質異常症の原因となり、動脈硬化を引き起こす

 

がんの犯人も内臓脂肪

長らく日本人の死因の第一位である「がん」も、実は内臓脂肪と深く関わっています

ここでまた登場するのが、「アディポネクチン」です。アディポネクチンには、がん細胞の増殖を抑える働きもあります。

肝臓がんを例に、見ていきましょう。
ウイルス感染やお酒の飲みすぎなど、何らかの原因によって肝臓が炎症を起こした状態を「肝炎」といいます。家事が起きているイメージです。

 

肝炎が進行すると「肝硬変」になり、肝臓としての機能が働かなくなります。

 

この段階ではすでに焼け野原となっています。その焼け野原に新しい生物がポツポツとできて、はびこってくるのが「肝臓がん」です。このように、慢性的に炎症をおこしているとがんになりやすくなります。

 

アディポネクチンは日々できてくるがん参謀を取り除いていますが、内臓脂肪が増えると反比例して分泌量が減っていきます。そのため内臓脂肪が蓄積している人はがん細胞を叩ききれず、がんのリスクが高まるのです。

 

参考

脂肪の蓄積に関連するがん

大腸がん…BMIが高くなるにつれて発症リスクも高まる傾向
食道がんの一部…BMIが正常な人とくらべて最大で5倍の発症リスク
子宮体がん…BMI30以上では、発症リスクが高まる
すい臓がん…BMI30以上で高リスク、BMI21以上でもリスクは高まる
腎臓がん…男性でBMI27以上、女性でBMI25以上では発症リスクが高い
乳がん…BMIが正常な人とくらべて、閉経後の発症リスクが10%上昇
肝臓がん…肥満で二次胆汁酸が増え、発症リスクが高まる

がんのリスクは肥満と密接に関係している

 

認知症の陰にも内臓脂肪あり!?

私たちの健康寿命に大きなダメージを与えている、内臓脂肪。近年の研究では認知症と内臓脂肪の関係についても解明が進められています。

 

事実、アルツハイマー型認知症の患者さんの60%は内臓脂肪の面積が基準を超えているというデータがあります。米国の調査では、中年期に肥満の人は認知症の発生率が3倍高くなるとの報告もあります。

 

単なる肥満だけでなく、メタボリックシンドロームを発症しているとさらにリスクが上がり、メタボな人は認知症の発症率が6倍も高くなり、しかもこういう人が認知症を発症すると認知機能の低下が早く進むこともわかっています。

 

なぜ内臓脂肪が認知機能に悪影響を及ぼすのでしょうか。どうも内臓脂肪から分泌される物質がアミロイドβという神経細胞を破壊するたんぱく質を脳に蓄積させるようなのです。

 

またインスリンにはアミロイドβを分解して脳の細胞を守る働きがありますが、内臓脂肪が貯まってインスリンの効きが悪くなると、脳の細胞を守れなくなるとの指摘もあります。

 

糖尿病でもインスリンの効きが悪くなるため、糖尿病の患者さんはそうでない人と比べてアルツハイマー型認知症の発症率が2倍高いとも言われています。

 

ポイント

○|内臓脂肪が増えると認知症リスクが上がる

 

内臓脂肪が減る=やせホルモンのスイッチをオンにできる

内臓脂肪は皮下脂肪に比べて割と簡単に落ちるということを思い出してください。貯まりやすく、減りやすいのが内臓脂肪の特徴です。

内臓脂肪は、体重が減れば比例して減っていきます。そして内臓脂肪が減るとやせホルモンのスイッチをオンにできるので、やせやすい身体になります

ダイエットに成功し、内臓脂肪が減るといいことしかありませんやせたら病気が治ります。減量に成功してインスリン注射をやめた患者さんはたくさんいます。インスリンは高額なのでその分医療費が浮きます。もちろん食べる量も減りますから、食費も削減できます。

 

食べてしまう原因は結局“ストレス”

空腹感には「生理的なもの」と「心理的なもの」の2種類があります。「生理的な空腹感」とは、身体がエネルギー不足を補うために食事を求めている状態です。一方の「心理的な空腹感」とは、不安やイライラといったストレスを紛らわす手段として食べることです。

疲れているときに甘いものが欲しくなったり、イヤなことがあった後にヤケ食い走ったりするのは、典型的な心理的空腹感による行動です。

それというのも、私たちがストレスを感じているときは、交感神経が優位になっています。ストレスを軽減するには、副交感神経が優位になるようスイッチしなければいけません。副交感神経が優位になる最も簡単な方法が「食事」なのです。

私も仕事に忙殺されているときは、コンビニのお弁当を一度に3つ食べたりします。もちろんその後、この本で紹介しているテクニックを使って体重を元に戻しています。

生理的な空腹感は一定量の食事をすれば満たされるのに、心理的な空腹感はなかなか満足できません。だからドカ食いをしてしまい、その結果太っていくのです。やせない、どんどん太るという人は、まずストレス過多ではないか、自分で振り返ってみましょう。

ポイント

×|ストレスで無意識に食べてしまう
○|空腹感には2つあると知る

痩せるための基本となる3つの柱

ダイエットの方法は、実はとてもシンプルです。

①食事療法
②運動療法
③行動療法

の3つが柱になります。

食事療法とは食事の量や内容を変えることです。運動療法とは患者さんに運動してもらうこと。そして、行動療法とは主にストレス対策にあたります。

一般的に肥満の治療では、①食事療法→②運動療法→③行動療法の順に行いますが、多くの場合、③がうまくいかないとダイエットに失敗します。太っている原因はストレスにあるのに、ストレスの要因をクリアできないからです。ですから、③行動療法をしっかりとしなければいけません。

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