男の悩みを一気に解決

男の悩み .info

肝機能

肝機能障害は早期治療!脂肪肝、肝硬変から肝臓がんへ

更新日:

肝臓の働きと位置

肝臓はどのような働きをしているのでしょうか。肝臓以外の臓器については、だいたいイメージをしている方が多いのではないでしょうか。

心臓=血液を体中にう送る
胃=食べ物を消化する
肺=酸素を体内に取り込む

では肝臓はどのような働きをしているのかを説明していく前に、肝臓がどこにあるかを確認してみます。

肋骨の一番下の骨を脇腹から体の中央に向かってたどってみてください。胃の上の凹んだところで左右の肋骨がつながっているのがわかります。このみぞおち部分に肝臓の一部が確認できます。そして、肋骨に守られるように左右に大きく広がっています。

肝臓は体の中で最も大きい臓器で、成人では1.2~1.5キロもあります。

心臓が200~250グラムですから、その6倍も重いことになります。

肝臓は直角三角形の形をしていて、体の右側にある大きな部分を右葉、左側を左葉と呼びます。右葉が約70%を占めています。

肝臓には3000億個の肝細胞がびっしりと詰まっています。肝細胞が50万個ずつ集まったものを肝小葉といい、そこには無数の毛細血管が張り巡らされています。肝臓に流れ込む血液は1分間に1~1.8リットル、1日で約2200リットルになります。

人間の肝臓も牛や豚の肝臓と同様に赤黒くて表面にツヤがあります。それは充満した血液の色です。万が一、肝臓が傷ついて出血をしたら致命傷になってしまいます。

 

肝臓の働き (肝臓=巨大な化学工場)

肝臓には太い2つの血管が入り込んでいます。

ひとつが大動脈から直接、枝分かれした肝動脈で、たっぷりと酸素を含んだ血液を運んできます。

もうひとつが門脈と呼ばれる静脈で、胃や腸で吸収した栄養を肝臓へどんどんと運びます。肝臓に入る大量の血液のうち約70%は門脈からのものです。

肝動脈と門脈から入った血液は肝臓の中で合流し、無数の毛細血管に流れこんで栄養素の分配、ガス交換、解毒、など複雑な作業を行います。そして、その後、肝静脈から心臓へ向けてきれいな血液を送り出します。

このように肝臓の仕事はとてもダイナミックです。そのため、よく強大な化学工場にたとえられます。

化学工場で行われる主な作業は、「代謝」「解毒」「胆汁の生成」の3つです。いずれも生命の維持に関わる重要な働きです。

⇒代謝
食べ物に含まれる栄養素は、そのままでは利用することができません。たとえば、糖質はブドウ糖という小さな単位に分解されてから吸収され、肝臓に運ばれます。肝臓ではエネルギーを必要としている部分にブドウ糖を供給するとともに、余分なエネルギーをグリコーゲンに変えて貯蔵します。これを糖代謝といいます。

また、たんぱく質はアミノ酸に分解されて吸収されます。肝臓では組織の必要量に応じたアミノ酸の代謝経路や代謝速度の調整が行われます。求められる製品を作るだけでなく、在庫管理や配送に手配まで行っているのです。

⇒解毒
胃や腸から吸収されるのは、有用な栄養素ばかりではありません。ときには体にとって有害な物質も含まれます。その代表がアルコールです。アルコールは肝臓で無毒な物質に分解してから体外へと排出されます。

また、必要に応じて服用する薬も、効果が出る物質に変わってから血液中に送り出されます。その仕事を担っているにも肝臓なのです。

⇒胆汁の生成
胆汁は脂肪の分解や脂溶性ビタミンの吸収に関わる重要な消化液です。胆汁は胆のうで作られると誤解している人がいますが、胆汁の生成は肝臓の仕事です。胆のうは胆汁を蓄える袋で食べものが入ってくると刺激を受けて、十二指腸に分泌する役割をしています。

 

エネルギー源は中性脂肪として肝臓に

肝臓の仕事のうち糖代謝について、詳しく説明していきます。糖代謝は、人間の生命維持に深く関わるとともに、肝機能が衰える原因とも直結しています。

人間が体を動かすときに使うエネルギーは、糖から得られています。糖質をしっかりと摂取しないと、マラソンを走るランナーの持久力や、ボールを強く蹴るサッカー選手の瞬発力を生むことはできません。

体力ばかりではありません。脳が働く際のエネルギー源も糖です。何時間も続けて勉強をした後にお腹が空くのは、血中の糖が足りなくなったからです。

また、心臓や腸などの臓器を動かすエネルギーも糖に由来しています。

このように糖質がなければ、我々は生命活動を維持することはできないのです。

大切なエネルギー源だからこそ、人間の体には糖を蓄える仕組みが備わっています。いざというときに、生き延びるためです。

食事で糖質を取ると、血液中のブドウ糖が多くなります。これが血糖値が高い状態です。血糖値が高くなると、すい臓からインスリンが分泌されてブドウ糖が多くなります。

これが血糖値が高い状態です。血糖値が高くなると、すい臓からインスリンが分泌されてブドウ糖を肝臓に取り込もうとします。血糖値が高いままだと血液がべたべたとして機能が悪くなるからです。人間の体は血液を最適な状態に保つ働きを自然に行っているのです。

本来はブドウ糖をグリコーゲンに変えて貯蔵したいとところですが、グリコーゲンとしての貯蔵は肝臓の8%程度(100~120グラム)と限度があります。そこで、それ以上の糖は中性脂肪に変えて蓄えるのです。

逆に運動や勉強をして糖が足りなくなると、肝臓がグリコーゲンや中性脂肪をブドウ糖に変えて血液の中に放出します。

 

肝硬変になると、もう治らない?!

肝臓は3000億個の肝細胞があります。これらの肝細胞は毎日、フル活動していますが、働きすぎや環境の悪化で壊れてしまうことがあります。しかし、数が多いために一部が壊れても、同僚たちが仕事を補ってくれます。たとえ半数の肝細胞が壊れても、肝臓の機能は維持されると考えられています。

肝臓のもうひとつの特徴は再生能力です。職場環境悪化で壊れた肝細胞は時間が経つと再び生き返って職場に復帰します。ケガによって戦線離脱した選手が、チームに戻ってくるイメージです。

このように肝細胞は、とても辛抱強いのです。たとえ環境が悪くなっていても、簡単に音を上げません。この性格によって、肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるのです。

 

肝細胞が壊れる主な原因

肝細胞が壊れる主な原因は2つあります。

ひとつはウイルス性肝炎です、体の外部からウイルスが入り込み、肝細胞に炎症を起こします。炎症を起こした細胞は壊れて機能を失います。

肝臓がんで亡くなる人は年間約2万7000人いますが、その多くはウイルス性肝炎が原因です。日本でかかる可能性のある肝炎は、ほとんどがA型、B型、C型です。

肝細胞が壊れるもうひとつの原因が、生活習慣の悪化です。お酒の飲みすぎ、食べすぎ、運動不足などが肝臓に負担をかけ、細胞が炎症を起こして少しずつ壊れていくのです。

少しくらい肝細胞が壊れても、肝臓は我慢をして働き続けます。しかし、再生するよりも壊れる細胞が多くなると、徐々に工場の稼働能力が落ちていきます。これが、肝機能が低下していく状態です。

Stages of liver damage. Healthy, fatty, liver fibrosis and cirrhosis. Vector illustration

●肝機能異常と肝臓の変化

1.正常
正常な肝臓は赤黒く、ツヤがある。脂肪肝になっても見た目はほとんど変わらない。

2.肝炎
肝炎を起こすと次第に硬い部分が現れる。これを繊維化という。この段階では、まだ元の状態に戻れる。

3.肝硬変
肝硬変に進行すると繊維化が進む再生結筋を作る。再生結筋によって表面がでこぼこしてくる。健康な状態に戻るのが難しくなる。

4.肝臓がん
肝臓がんになると全体が委縮する。

ウイルスが原因でも生活習慣の悪化が原因でも、肝炎から肝硬変に移行していく過程は同じです。

肝細胞が再生と破壊を繰り返すと、次第に細胞が硬くなっていきます。こうした状況を肝臓の線維化と呼びます。

肝臓の線維化が進むと、再生結節といういびつな塊ができてきます。これが肝硬変です。肝硬変になると再生結節によって表面がでこぼこし、元の状態に戻ることは難しくなります。さらに肝臓がんに進行すると、肝臓全体が硬くなり体積が20%ほど委縮します。

肝硬変と診断されたときは、すでに肝臓の機能が大きく衰えています。そして、高い確率で肝臓がんへと進行してしまいます。

肝硬変になるには、長い年月がかかります。肝臓の異常を早めに察知して、対応することが大切です。

 

脂肪肝、肝臓の小さな異常

肝臓に負担がかかると、徐々に中性脂肪が増えてきます。健康な肝臓の中性脂肪は3~5%ですが、これが30%になると脂肪肝と診断されます。

脂肪肝を放置しておくと、肝細胞が炎症を起こして少しずつ壊れ始めます。そして、中性脂肪の割合が30%超えると、明らかに肝機能が悪化し始めます。この状態が肝炎です。

つまり、肝炎の初期段階が脂肪肝なのです。

脂肪肝の人は全国で3000万人もいるといわれています。自覚症状がまったくないために、多くの人は自分が脂肪肝であることに気がつかず、診療も受けていないと考えられます。

しかし、脂肪肝は肝炎、肝硬変に進行する危険があるばかりでなく、糖尿病や深刻な発作を引き起こす原因にもなります。脂肪肝を甘くみてはいけません。

肝炎にはお酒が原因のアルコール性肝炎とそれ以外の非アルコール性肝炎があります。

脂肪肝は、お酒をたくさん飲む人や肥満体型の人に多いと思われがちです。確かに、毎日適量を超えたお酒を飲み続けるとアルコール性脂肪肝になりやすいといえます。

また、内臓脂肪がついた肥満の人は脂肪肝になっている可能性が高いと考えられます。

しかし、お酒も飲まず、スリムな体型をしていても脂肪肝になる人はとても多いのです。これを非アルコール性脂肪肝といいます。

スリムな体型でも脂肪肝になる?!

お酒も飲まない、肥満でもない、それなのに脂肪肝?

そのような場合もあるのです。

人間が生命を維持するためのエネルギーは、主に糖質から得ています。そして、万が一の飢餓に備えて、糖を肝臓に蓄えておく機能を持っています。しかし、糖のままでは十分に蓄えられないので、中性脂肪に変えて備蓄します。

脂肪肝になる原因は、万が一のために備蓄された中性脂肪なのです。

肝臓には脂肪だけを収納する特別な脂肪細胞があります。増えた中性脂肪は脂肪細胞に収まり、脂肪はどんどんと大きくなります。中性脂肪を収納した脂肪細胞は、1.5倍~2倍に膨らみます。

膨らんだ脂肪細胞は、健康な肝細胞を圧迫するようになります。圧迫された細胞は血流が悪くなり、栄養や酸素が足りなくなって壊れていきます。

しかし、現代の日本社会において、飢餓で生命が危うくなるという状況は考えられません。はっきりといってしまえば、必要もない中性脂肪を肝臓に溜め込んでいるわけです。

肝臓の脂肪があえう程度まで増えると、中性脂肪は内臓の周りにつくようになります。これを内臓脂肪と呼びます。内臓脂肪は収納力が大きいため、中性脂肪をたっぷりと蓄えることができます。こうしてポッコリとお腹が出た肥満体型ができあがるのです。

以上の仕組みによって、肥満より先に脂肪肝になるのです。

 

体重を2キロ落とせば、肝臓は元気になる

生活習慣病の多くは自覚症状がなく、発見・治療が遅れるという特徴があります。その例外といえるのが、肥満です。

男性であればへその周りの腹囲が85センチ以上、女性の場合は90センチ以上になると「肥満」と診断されます。なぜ、女性の基準が甘いかというと、性差によって皮下脂肪がつきやすいからです。血糖値や血圧、肝機能に悪影響を与える中性脂肪は、小腸を中心とした内臓の周りにつく内臓脂肪なのです。

痩せている人も脂肪肝になるといっても、肥満の人のリスクが大きいことは歴然としています。「若い頃は痩せていたのに…」といってお腹を撫でるようになったら生活習慣病に注意を払う必要があります。

しかし、脂肪肝のうちに生活習慣病を改善すれば、健康な肝臓に戻ることは容易です。食生活を見直し、運動を心がけて体重を2~3キロ減らせば、肝機能はすぐに回復します。肝臓にはしっかりとした再生機能があります。環境さえよくなればすぐに元気になります。

逆に肥満のまま何もせずに放置すると、肝機能ばかりでなく、血糖値、血圧の数値も悪化します。それが血管病の原因となるのです。

 

お酒での脂肪肝は糖代謝が滞るのが原因?!

お酒が原因のアルコール性脂肪肝について説明をしていきます。栄養の代謝と有毒物質の解毒は、肝臓の大きな仕事です。アルコールは人体にとって有害なので、肝臓で酵素を使って代謝・解毒しなければいけません。

解毒には、アルコール(エタノール)→アセトアルデヒド(有毒)→酢酸(無毒)と2段階の手順が必要になります。毒性のない酢酸は血液中に放出され、汗や尿となって体外に排出されます。

すぐにお酒によってしまう人は、アセトアルデヒドを酢酸に変える「アルデヒド脱水酵素」の力が弱いのが原因です。解毒がうまくいかないために気持ちが悪くなってしまうのです。白人や黒人は100%が力の強い型の酵素を持っていますが、日本人は約50%と言われています。

なお、アルコール中毒患者の治療に使う抗酒薬は、アルデヒド脱水酵素をストップする薬です。これを服用すると、わずかなアルコールでも耐えられないほど具合が悪くなるのです。

アルコールを適量以上に飲む生活が続くと、肝臓の働きが解毒作用にかかりきりになります。毒性のある物質をいつまでも肝臓にとどめておくわけにはいかないからです。

すると、食事として取り込まれた糖質の代謝に手が回らなくなります。いつまでも終わらない残業のように、ブドウ糖は処理されないまま取り残されてしまいます。これが中性脂肪となって肝臓に溜まっていくのです。

また、アルコール代謝中は脂肪の燃焼もストップすると考えれれています。体がエネルギーを欲しているのにうまく供給されないため、脂肪が減っていきません。

さらに解毒された酢酸の一部が脂肪肝に変わり、中性脂肪に変化します。これも脂肪が肝臓に溜まる原因となります。

アルコール性脂肪肝は「アルコール性」と名前がついていますが、アルコールが直接、中性脂肪に変わるわけではないのです。

健康診断で気になるのがγ-GTPです。

γ-GTPは、アルコールなどを解毒する過程で必要な酵素です。アルコールが過度に摂取されると、γ-GTPが大量に分泌されます。それが血液中に流れ込んで血中濃度が上がるのです。γ-GTPもそれ自体は善玉なのです。

γ-GTPの基準値は男性で50IL/ℓ以下とされています。100IL/ℓを超えたら要注意です。200IL/ℓ以上になった場合は胆道に異常が起こっている可能性があります。

 

早期発見、早期治療のススメ

早期発見、早期治療が必須である理由は肝臓の病気には特効薬がないということです。生活習慣を改善して、自分自身の力で回復することになります。治療が遅れると、手の施しようがありません。

血液検査以外にも、自覚症状から肝臓の異常を知る方法があります。

●疲れやすい
朝起きても疲れが取れない、今までより疲れやすい、慢性的にだるさを感じる。

●二日酔いが治りにくい
今まではすぐに治っていた二日酔いが長引くということは、肝臓の解毒能力が低下している

●食欲がない
食欲不振は肝機能低下の可能性もある

Copyright© 男の悩み .info , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.