◀ 血圧を下げるために⑤ ゴースト血管化を防ぐには「NO」を出せばよい!
高血圧の治療に欠かせない食事療法。
食事を制限するよりも、血管力を高め、末梢血管を開いていく成分を含む食べものを摂ることが大切です。
その成分は、LTP(ラクトトリペプチド)、GABA(ギャバ)、ケルセチン、EPA(イーピーエー)、リコピンの5つです。
LTP(ラクトトリペプチド)
…血管を若返らせる
GABA(ギャバ)
…血圧の上昇を抑える
ケルセチン
…血流をよくする
EPA(エイコサペンタエン酸)
…動脈硬化を予防
リコピン
…強力な抗酸化作用
もう少し詳しく解説をしていきます。
LTP(ラクトトリペプチド)
「LTP(ラクトトリペプチド)」は乳たんぱく由来の成分です。アミノ酸が3個つながったもの。動脈硬化を防ぎ、血圧上昇を抑える効果があることで、近年大注目の「血管若返り成分」です。
LTPは血管内皮細胞を正常に保ち、末梢血管を開くことで、血圧を下げることが報告されています。
また、LTPと有酸素運動を組みあわせることで、脳の活性化、ひいては認知症の予防に効果的という結果が出ています。
チーズ(ブルーチーズやゴーダチーズ)や米麹などに多く含まれますが、禁煙んは特定保健用食品(トクホ)としても発売されていますので、そういうものを取り入れてもいいと思います。
GABA(ギャバ)
「GABA(ギャバ=γ-アミノ酪酸)」もアミノ酸の一種です。GABAというと、ストレスをやわらげ、リラックス作用があることで知られていますが、実は血圧を下げる効果もあるのです。
なぜGABAが血圧を下げるのかというメカニズムについては解明されていませんが、GABAには交感神経をしずめ、血管を収縮させる神経伝達物質(ノルアドレナリン)を抑制する作用があり、血管がゆるむ結果として血圧が下がると考えられています。
GABAは脈拍を安定させて、なおかつ血圧も下げてくれるという、目的にうってつけの成分です。
トマトやお茶、大豆、きのこ類、発芽玄米などに多く含まれています。
ケルセチン
「ケルセチン」は、野菜や果物に含まれているフラボノイドの一種。フラボノイドは、植物が厳しい環境や外的から身を守るために作り出したと考えられるポリフェノールの一種です。
ケルセチンは、黄色くやや苦みがあります。抗酸化作用を有し、血管内皮細胞の酸化によるダメージを防ぎ、血管をしなやかに開いて血圧を下げる働きがあると考えられています。ケルセチンは玉ねぎに多く含みますが、さらに、皮を剥いた玉ねぎを4~5日間日光にさらすと、その量が5倍ほどに増えるという研究結果もあります。玉ねぎ以外にも、アスパラガスやお茶に多く含まれています。
EPA(エイコサペンタエン酸)
「EPA(エイコサペンタエン酸)」は、イワシ、サバなどの青魚に多く含まれる油(オメガ3系脂肪酸)です。
まず、EPAは末梢血管をしなやかに開いて、血流をよくしてくれる働きがあります。
事実日本人を対象にした研究で、EPAを採取することで、収縮期血圧が有意に下がることが報告されています。
さらに、EPAは、血小板の活性化を防ぎ、血栓をできにくくしたり、血管に生じる炎症(酸化したコレステロールと白血球の反応でこの炎症が動脈硬化の一因となる)
を抑える作用によって、動脈硬化の進行を防ぐことに役立つことがわかっています。
リコピン
リコピンはトマトに含まれる赤い色素で、非常に強い抗酸化作用を持っています。ちなみに、リコピンはトマトを意味するギリシャ語です。
その効力はβ-カロテンの2倍以上、ビタミンEの約100倍ともいわれます。
この強力な抗酸化作用が血管内皮細胞をLDLコレステロールの酸化ストレスから守り、血管年齢を若返らせ、動脈硬化を防いでくれます。血流もよくなります。
金時人参や、スイカ、柿、あんず、パパイア、マンゴーなどに多く含まれています。