「NO」で末梢血管も全身細胞も若返る
血管を鍛える=末梢血管を開いて血流をよくし、血管をしなやかな状態に維持すること
そのためには、、、
① 自律神経のコントロール
② 血管の内側の壁にある「血管内皮細胞」を良好なコンディションに保つ
の2つがあります。
血管内皮細胞は血管の内壁(流れる血液に触れる面)を覆う薄い細胞の層です。
血管の内部は目に見えないので想像しにくいですが、私たちの肌、「皮膚」をイメージするとわかりやすいでしょう。
皮膚の表面には肌の水分を保持したり、外部から異物が侵入するのを防ぐ役割(皮膚のバリア機能)があります。
それと同じく、血管内皮細胞は血管を守る“バリア”としての役割を持っています。
血管内皮細胞は、血液が血管の外に漏れだすのを防ぎ、異物の侵入を防いでいるのです。
また、血管内皮細胞には、もうひとつ重要な役割があります。血管の若さと健康を保つためのカギ「NO(エヌオー・一酸化窒素)」を分泌しています。
「皮膚」から「皮脂」がきちんと分泌されることで、お肌が潤うように、NOがきちんと分泌されることで、しなやかで若々しい血管を保つことができるのです。
心筋梗塞、脳卒中、認知症…の予防・改善にも大きな効果があります。
「NO」の働き
① 血圧を安定させる
「NO」のもっとも重要な働きは、「血管を押し広げ、血流をよくし、血圧を安定させる」ことです。
逆に言うと、「血圧が高い人」「血流が悪い人」は、NOが不足している可能性が高いということです。
② 傷ついた血管を修復
「NO」は「血管内皮細胞にできた傷やコブを修復し、動脈硬化を予防する」働きをしています。
また、血小板が凝集して血栓(血のかたまり)ができるのを防ぎ、血管が詰まる原因を取り除きます。
エコノミー症候群がマスコミなどで取り上げられるようになって、「血栓」をいかに作らないようにすることが大切か多くの方に知られるようになりました。血栓は脳梗塞、心筋梗塞の原因にもなります。
このゆに、「NO」は、〝血管のメンテナンス係〟の役割があり、分泌量が減ると、血管はお手入れされないまま、〝荒れ放題〟になってしまいます。
③ 動脈硬化を予防
最近では、「血管内皮細胞の衰えが動脈硬化の始まり」と考えられてrいます。
生理的な加齢に加え、悪しき生活習慣や生活習慣病によって血管内皮細胞が傷害を受けると、「NO」の分泌が少なくなり、ますます血管内皮細胞の傷害が進むという悪循環に陥ってしまいます。
「NO」の分泌を促し、この悪循環を開始させないこと、ストップさせることが重要なのです。
「NO」は血管を広げて血流をよくし、さらにしなやかで弾力のある血管を維持するために働いてくれます。末梢血管を開き、血圧を下げてくれる強い味方なのです。
「NO」を出すためにはなんといっても生活習慣の改善、つまり食事・睡眠・運動の工夫や禁煙などが大切です。
つまり、末梢血管を鍛えて、末梢血管がなるべく開くためには、自律神経をコントロールすること、NOをしっかり出す生活をするということです。その先には上腕血圧や中心血圧が下がり、動脈硬化の進行がゆっくりになるという未来が待っています。
末梢血管を鍛えると「ゴースト血管」も怖くない
近年、「ゴースト血管」が話題となっています。ゴースト血管とは毛細血管がまるで「ゴースト」のように消えてしまうという現象です。
原因となるのは加齢や紫外線などです。血管が消えて血液がいきわたらなくなれば全身の隅々にまで細胞に栄養や酸素を送ることができません。
しかし「毛細血管が消える」というと、いかにも衝撃的なことのように聞こえますが、毛細血管はゴースト化するけれども、よみがえったり、あるいは新生したりするのです。
ではどうすればゴースト血管がよみがえったり、新しい血管が新生するかというと、その答えも「末梢血管」にあるのです。
毛細血管は一番細い血管で、末梢血管の先につながっているわけです。この毛細血管は私たちが直接制御できるものではありません。
しかし末梢血管を開く生活をすることによって、その先にも血液が流れて、毛細血管のゴースト化を防ぐことができるし、あるいは新生させることもできるのです。
だから「ゴースト血管を防ぐ」というのは「末梢血管を開く」ことと同じことです。
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