血圧

血圧を下げるために② 今話題のキーワード「中心血圧」とは?!

 血圧を下げるために① 「血圧の新基準」と「理想の数値」、まずは正常値を知ろう

「中心血圧」医学会も大注目の数値

「私は上の血圧が135だから、まだギリギリ高血圧ではない」

「自分は薬を飲んでいて、上が120ぐらいに収まっているから、まあまあかな」

みなさん、このようにご自分の血圧自分の血圧の値はだいたいご存じのことと思います。

ところが、みなさんが考えている「血圧」とは別に、もうひとつの「血圧」があると知ったら驚くのではないでしょうか。

その「もうひとつの血圧」というのが、心臓に直結する大動脈の圧であり、心臓への直接的な負荷となる「中心血圧」です。

「中心血圧」は、一般的な腕で計測する「上腕血圧」とは異なる大動脈の血圧で、通常の血圧計では測定することができません。それでも心臓の受ける負荷の大きさを知る上で、とても重要な指標なのです。

「中心血圧」は近年、世間に知られ始めたもので、医学の世界でも注目されており、今後の血圧治療において抱えない数値となってくると考えられます。

・中心血圧は「2つの血圧」が重なったもの

血圧とは普通、腕で計測する「上腕血圧」のことを指します。

上腕血圧は何を表しているかというと、心臓から血液を送り出したときの、上腕(二の腕)の動脈に生じている血圧のことです。

「血圧」は全身のどこでも所持ますが、当然、心臓に使い大動脈の部分にも圧が生じています。この心臓に直結する大動脈に生じる圧が「中心血圧」です。

心臓に直結する大動脈には、心臓から血液が送り出されるときに、圧が生じます。これを「送り出す圧」と呼びます。

 

ところが、こちらは見落とされやすいのですが、心臓が血液を送り出したとき、大動脈には「別の圧力」がかかってくるのです。それは逆に大動脈の側から跳ね返ってくる「圧」です。

この圧を「跳ね返ってくる圧」と呼びます。

 

つまり、心臓に直結する大動脈には、心臓が血液を「送り出す圧」と、心臓に向かって「跳ね返ってくる圧」とがあるのです。

わかりやすい例を挙げてみます。

満員電車からたくさんの乗客が駅に降りようとするときのことを考えてみてください。人がぎゅうぎゅうに乗っている社内から人がワーッと駅になだれ込みます。これが心臓から「送り出す圧」です。

しかし、駅で待っている乗客がまだ降りている乗客がいるにもかかわらず、われ先にと電車に乗り込もうとしてきました。これが「跳ね返ってくる圧」です。

心臓が血液を送り出すとき、直結する大動脈には、「2方向からの異なる圧」が重なり合ってかかっています。

 

血圧高めの方へ

 

心臓にはすべての血管から「跳ね返りの圧」が集まってくる


「血管から跳ね返ってくる圧」は、「動脈の入り口(の血管)」周辺だけの話ではないのです。「圧」は全身の血管から跳ね返ってきます。

心臓から送り出された血液は、そのまま何の抵抗もなく血管を流れていくわけではありません。

心臓からすぐの大動脈は直径25~30ミリほどありますが、血管は分岐しながら末端にいくにしたがって次第に細くなっていきます。分岐点や末端の細い血管では血液はスムーズに流れにくく、そこに血流に対する抵抗が生じます。

 

その結果として血管のあちらこちらで「圧」が生じます。

さらに血管自体が動脈硬化を起こして硬くなっていたり、内腔が狭くなっていると抵抗はより増加して、圧の伝わってくるスピードも上昇します。

先ほどの「ホース」と「水」を頭に描いてみてください。

ホースのどこかをギュッとつまむと、その部分で生じた「圧」は、ホース自体の圧を高めてパンパンに膨らませながら蛇口へと達します。

それと同じで、末端で生まれた「圧」はポンプである心臓に向かって全身にははりめぐらされたあちこちの血管から戻ってくるのです。

それぞれの分岐点や一本の動脈の末端で生じる圧はちょっとしたものであっても、体中の血管から心臓めがけて一斉に戻ってきたときは、それなりの大きな圧となります。

 

この心臓に戻ってくる血管全体からの「跳ね返りの圧」と、心臓が血液を「送り出す圧」と重なったものが「中心血圧」となるのです。

 

中心血圧は「動脈硬化」と連動する

血管が動脈硬化を起こして硬くなったり、狭くなったりしていると、心臓に対する「跳ね返りの圧」は大きくなります。

逆に血管がやわらかいと、送り出された血液が血管にぶつかっても、「跳ね返りの圧」は小さくなります。

ボールを壁にぶつけたときのことを考えてみてください。

壁が硬いとき、投げたボールは、すぐに、そのままの勢いの強い力で跳ね返ります。逆に壁がふんわりとやわらかい素材のものだと、投げたボールはゆっくり、弱い力で跳ね返ります。血管もこれと同じです。

動脈硬化が進行しているほど血管壁が硬くなり、「血管からの跳ね返りの圧」も「心臓が送り出す圧」も強くなり、中心血圧が高くなるのです。

 

中心血圧が高いとなぜ心臓に悪いのか


言うまでもなく心臓は血液を全身に送り出すのが仕事です。

ところが血管からの「跳ね返りの圧」が強いとどうなるでしょうか。

当然ながら、心臓には大きな負担となりますね。

「跳ね返りの圧」を受けながら、血液を送り出すという「難題」をクリアしないといけないわけです。

そうすると、必然的に強い力で血液を押す出すことになり、心臓には大きな負担がかかり続けます。当然、動脈の圧も高い状態が続くので、動脈硬化にも拍車がかかります。

事実、中心血圧が高いと心臓病や血管事故を起こす確率が高まることがわかっています。

心臓は1日に約10万回拍動します。それが、1日、1か月、1年と、時間の経過とともに心臓にも、血液を送り出される血管にも大きな負担になることは容易に想像できるでしょう。

中心血圧が高いということは、心臓に過剰労働を強いるとともに、血管にとっても大きな負担となるのです。

血圧高めの方へ

 

中心血圧 VS 上腕血圧 その違いは?

「中心血圧」と「上腕血圧」はどう違うのか?

中心血圧は、「心臓が血液を送り出す圧」に、心臓へ戻る血管からの「跳ね返りの圧」が重なったものです。

そして、成人においては、中心血圧の最大値は主に「跳ね返りの圧」になっています。

一方、上腕血圧もまた、二つの血圧が重なっているのですが、その最大値は、心臓が血圧を「送り出す圧」になっているのです。

そのため、上腕血圧を測定しても、その最大値は、中心血圧の最大値とは全く異なる場合が多いのです。

ですから、「中心血圧」と「上腕血圧(上の血圧)」は、値が違ってきます。

たとえば、上腕血圧が同じ140であった場合、若い人では中心血圧が145だけれども、70歳の人は全身の血管の動脈硬化が進行していることから「跳ね返りの圧」が大きくなり、中心血圧が160などという数値を示すことがあります。

〇中心血圧は、
「心臓から送り出される血液の量」
「その血液を受け入れる血管の抵抗」
「全身の血管から跳ね返ってくる圧」
の3つの要因で決まります。

 

中心血圧はどうやって測る?

中心血圧は、心臓に近い大動脈で測りますが、その値はかつては、心血管にカテーテルを挿入する「心臓カテーテル検査」をしないと測れませんでした。

しかし、最近では手首で簡便に中心血圧を推定できる機器が開発されました。

手首の血圧を推定できる機器が開発されました。手首の血圧を波形で描き、その波形から「跳ね返りの圧」の成分をとらえることで、ほぼ正確に中心血圧を割り出すことができるようになったのです。

これが近年、高血圧診療を行う臨床においても「中心血圧」が注目されるようになった理由です。

 

上腕血圧も大事な指標

中心血圧が大事であれば、上腕血圧の値はあまり意味がないのかというと、そういうわけではありません。

一般的な上腕血圧と脳心血管系疾患や腎疾患などの関係を示す研究は多く、上腕血圧を正常に保つことの重要性はゆるぎないものです。

ただし、上腕血圧の測定だけでは評価できない「心臓に直結する大動脈の圧」、すなわち「中心血圧」というものが存在し、その値もまた心血管系疾患と強い関連性があることが近年明らかになってきたのです。

すなわち、今後は、上腕血圧の良好なコントロールととともに、中心血圧を下げるような生活習慣の改善や治療薬の選択がより重要となります。

血圧を下げるために③「中心血圧」「動脈硬化」「 メタボ」揃うとまずい3つのキーワード



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