海藻の食物繊維
表面のヌルヌル成分は、コレステロール値を下げる水溶性の食物繊維
こんぶやわかめなど、海藻類の表面はヌルヌルしていますが、ぬめりの正体は水溶性の食物繊維。コレステロール値を下げる効果があるうえ、血圧も下げるため、動脈硬化に効果的です。
生のこうんぶやわかめの表面を覆っているぬめり成分は、アルギン酸やフコイダンと呼ばれるもの。これらは、コレステロール値を下げる働きがある水溶性の食物繊維の一種です。血糖値の上昇を抑えたり、ナトリウムの排出を促して血圧を下げる効果もあります。フコイダンは同じ海藻類では、もずくにも含まれています。
また、植物ステロールの一種であるフコレステロールも含まれており、これにもコレステロール値を下げる効果があります。
●フコレステロール
植物ステロールの一種。コレステロールを減らし、血栓を溶かす。
●アルギン酸
コレステロールや胆汁酸の吸収を抑える。ナトリウムを排泄し血圧を下げる。
●フコイダン
コレステロール値や血糖値のや血糖値上昇を抑える。
こんぶはとりすぎ注意! 1日3ℊ程度まで
ヨウ素が多く、食べすぎは甲状腺機能障害を起こすので注意。
なぜ食物繊維はコレステロールの吸収を抑えるのか
現代の日本人は、食物繊維の摂取量が不足していると言われています。食物繊維にはコレステロール値や中性脂肪値を下げる働きがあり、野菜や海藻類などに多く含まれています。
五大栄養素に次ぐ「第6の栄養素」として注目されているのが、食物繊維です。食物繊維は腸で吸収されることなく排出されることから、以前はエネルギー源として役に立たない“食べ物のかす”として、価値が認められていませんでした。しかし、健康によいことがわかり、今では1日25ℊ以上摂取することがすすめられています。
コレステロールや糖質の吸収を抑えていっしょに排出
植物繊維には、海藻類やこんにゃくに多く含まれている水溶性のものと、野菜やきのこ類に多く含まれている不溶性のものがあります。水溶性には、腸でコレステロールや糖質の吸収を抑えたり、胆汁酸の排出を促すことで、コレステロール値を下げる効果があります。
一方、不溶性食物繊維の主な働きは、便のカサを増して便秘を改善することですが、コレステロールを下げる効果もあります。また、食物繊維はエネルギーにならないため、肥満の防止にも効果的です。