抗酸化作用のあるビタミンをとろう
動脈硬化などの原因となる活性酸素の発生を抑えるのが、抗酸化物質。ビタミンE、ビタミンC、βカロチンは、その代表例。
活性酸素の害を防ぐ抗酸化物質
活性酸素は、血液中の酸素がエネルギーに変わる過程で酸素の一部分が化学変化を起こして発生するものです。具体的にLDL(悪玉)コレステロールを酸化して動脈硬化の原因となります。また、がんや、さまざまな生活習慣病、シワやシミといった老化現象も、活性酸素と深い関係があると考えられます。
この活性酸素の発生を防いでくれるのが抗酸化物質です。抗酸化物質は体内でも自然に合成されますが、食品のなかにも抗酸化作用のあるものがあります。
その代表が、ビタミンEやC、βカロチンをたっぷり含む緑黄色野菜。高脂血症の人は、動脈硬化の予防のために、こうした抗酸化ビタミンを意識してとるようにしましょう。
ビタミンEとビタミンCは一緒にとれば効果倍増
かぼちゃ、ほうれん草などに多く含まれるビタミンEは、活性酸素を回収したあと、「ビタミンEラジカル」という物質に変わります。このビタミンEを還元するのが、ビタミンC。ですから、ビタミンEとCは一緒に摂取すると、相乗的に効果が高まります。
このほか、ビタミンEには、HDL(善玉)コレステロールを増やしたり、不飽和脂肪酸の酸化を防ぐという作用もあります。
ビタミンEの1日の必要所要量は成人男性10㎎、成人女性で8㎎。ビタミンEはさまざなま食品に含まれているので、バランスのよい食事を心がけているだけで、十分に摂取できます。
喫煙者やストレスの多い人はビタミンCを多めに
ブロッコリーやいちごなどに多く含まれているビタミンCは、水溶性で熱に弱い性質があるため、調理するときは切ったあと水につけない、加熱時間を短くするなどの工夫が欠かせません。
1日のビタミンCの必要所要量は成人の場合、男女とも100㎎です。けれども加熱によって量が減ってしまうので、その分を見越して、摂取しましょう。喫煙者やストレスが多い人はビタミンCの消耗が激しいので、さらに多く摂取する必要があります。
強い抗酸化作用を持つポリフェノール
抗酸化物質の研究が進むにつれて、体内の細胞の酸化を防ぐ物質が多数あることがわかってきました。なかでも最近注目を浴びているのがポリフェノールです。
抗酸化物質はビタミンE・C、βカロチンだけではありません。ほかに、お酢などに多いクエン酸や、ポリフェノール類(カテキン・フラボノイド・イソフラボンなど)があります。
なかでも、ポリフェノールは、最近注目を浴びている物質のひとつです。ポリフェノールを含む食品としては、赤ワインやチョコレート、日本茶などがよく知られますが、春菊やブロッコリーなどの緑黄色野菜や果物にも多く含まれています。
抗酸化食品の見分け方
なお、抗酸化ビタミンや、ポリフェノールなどの抗酸化食品には、次のようないくつかの特徴あgあるので、見分けるときの参考にしてください。
①酸味が強い(お酢、柑橘類など)
②渋みが強い(赤ワイン、緑茶など)
③色が鮮やか(赤ワイン、いちご、緑黄色野菜など)