ヘマトクリットの基準値
40.0~50.0%
検査の目的・内容
検査名のヘマトクリットは、ヘマトが血液、クリットが分離という意味です。血液を遠心分離器にかけて血漿と固形成分に分けたうえで、赤血球の割合を調べます。
血液に占める赤血球の割合が低ければ、赤血球数やヘモグロビン量が少ない場合と同様に、貧血の疑いがあるということになります。逆にその割合が高ければ、赤血球増多症などの疑いがあることを意味しています。
検査でわかる病気
赤血球数やヘモグロビン量、ヘマトクリットは、ともに血液と赤血球との関係を示す指標ですから、一般的にその増減には強い相関関係があります。
ただし、ヘマトクリットが異常値を示した場合、それが赤血球の数の増減によるものか、赤血球の大きさの異常によるものか、あるいは血漿の増減によるものかなどの要因によって、その相関のしかたには微妙な違いが生じます。その違いを精査することにより、貧血や赤血球増多症などの診断の手がかりとします。
ポイント
検査でわかる病気
鉄欠乏性貧血・再生不良性貧血・臓器出血・赤血球増多症など
異常値(高い場合と低い場合)が出た場合は
高値の場合は、まずは赤血球増多症を疑いますが、脱水やショックなどにより高値を示すこともありますから、関連検査によりそれを確認し、診断を得ることになります。
低値の場合にはまず考えられるのは、鉄欠乏性貧血ですが、この数値だけでは診断は確定することはできません。赤血球数・ヘモグロビン量・ヘマトクリットの各検査の減少のしかたについて比較検討し、その相関関係に乱れがあるときには、赤血球恒数を調べるなどして、貧血の種類の判定を行います。