AST/ALTの基準値(正常値)
AST(GOT) 14~32 IU/ℓ
ALT(GTP) 8~41 IU/ℓ
検査の目的・内容
AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)とALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)はともにアミノ酸の育成に関わる酵素で、以前はASTはGOT,ALTはGPTと呼ばれていました。
ASTは肝臓や心筋、骨格筋、腎臓など、さまざまな組織の細胞に存在しています。ALTも各所に存在していますが、とりわけ肝臓に集中しています。
ASTとALTが存在している細胞が破壊されると、これらが血液中に漏れ出てきます。この検査は身体のどこかに細胞を破壊するような以上が起きていないかを探るために行われます。
検査でわかる肝臓の病気
ASTとALTは一般的に同時に調べます。どちらも明らかな高値を示している場合、まず疑われるのは肝臓の病気です。とくにALTの検査数値が高いときは、肝疾患の疑いが高くなります。
ASTのほうが高値を示している場合は、肝臓のほか心筋や骨格筋、血液異常なども考えられます。
数値の見方
ASTとALTの検査数値が基準数値より高い場合はまず肝疾患を考えます。どちらの検査数値も、経度の上昇では上記の病気を発症しているのか判断が難しいですが、中等度または高度の上昇を示している場合は具体的な病気を絞り込むことができます。
さらに、ASTとALTの上昇の度合いを比較(AST/ALT比)して、チェックすればより、絞り込むことが可能です。また、検査数値の高さや上昇のしかたの速さは、病気の重症度を反映しています。
とくにASTの数値の高さが目立ち場合は、心筋梗塞や筋ジストロフィー、甲状腺機能亢進症、大量出血など、肝疾患以外の病気の可能性もあります。いずれにしても確定診断を得るには精密検査が必要となります。
なお、数値が低い場合は普通は問題視しません。
■AST/ALT比による疑われる病気
AST/ALT比 | 疑われるおもな病気 | |
AST>ALT |
急性肝炎 アルコール性肝炎 |
肝硬変、肝臓がん、心筋梗塞、進行性筋ジストロフィーなど |
AST<ALT | 慢性肝炎、劇症肝炎の後期、脂肪肝、急性胆管炎など |
■異常値と疑われる病気の関係
検査数値 | 重症度 | 疑われる主な病気 | |
AST | 33~100 | 軽度 | 慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝、アルコール性肝炎、薬物性肝障害、心筋梗塞、溶血など |
101~500 | 中等度 | 急性肝炎、慢性肝炎、アルコール性肝炎、肝臓がん、心筋梗塞、進行性筋ジストロフィーなど | |
501以上 | 高度 | 劇症肝炎、急性肝炎、心筋梗塞、大量出血など | |
ALT | 42~100 | 軽度 | 慢性肝炎、脂肪肝、アルコール性肝炎、肝硬変、薬物性肝障害、急性胆管炎、胆石など |
101~500 | 中等度 | 急性肝炎、慢性肝炎 | |
501以上 | 高度 | 急性肝炎、劇症肝炎、慢性肝炎の急性増悪期など |
数値が高い場合の対処法
慢性肝炎の場合は医師などから病態に応じた食事や生活、経過観察などについての指導がありますので、指示にしたがいましょう。
とくに、アルコール性肝炎や脂肪肝では禁酒を実行することが治療の大前提となります。
また、病態にもよりますが、肝臓への負担を減らすため、睡眠を十分にとる、ストレスをためない、規則だ正しい生活をするなどの生活改善を行うことも求められます。
肝臓病の食事療法では、糖質、たんぱく質、脂質のバランスのとれた適正エネルギー量の食事を、規則正しくとることが基本になります。
ポイント
慢性肝炎 → 食生活の改善(糖質のカット)・アルコール制限
脂肪肝やアルコール性肝障害 → 禁酒
肥満 → ダイエット
肝硬変 → 医師、栄養士の指導を受ける。※病態や合併症の有無により食事療法が変わってくるため。
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