健康診断当日に朝ごはん(朝食)を食べてしまったら?
結論から先に言うと、予定していたすべての検査をキャンセルせざる得ない可能性が大きいです。食事をとっても影響がある検査のみを別日に実施することも考えられますが、2度手間になるためすべての検査を別日にすることになります。
というのが建前ですが、実際には間違えて朝食を食べて検査に行く人もいるようです。その際には必ず受付で相談しましょう。病院によっては影響のある検査を後回しにしてくれるところもあるようです。
ただし、正確な検査結果が出ないのでお腹がすいているからという理由で朝ごはんを食べるのはやめておきましょう。
なぜ、朝ごはんを食べたらだめなのか?
なぜ健康診断の当時に朝ごはんを食べたらだめなのでしょうか。それは朝ごはんを食べることによって必ず影響が出る検査項目があるからです。
また、朝ごはんを食べてしまうと胃で消化しきれなかった内容物のために胃X線検査や胃内視鏡検査ができなくなってしまいます。
特に影響のある検査項目は以下の通りです。
① 血糖値
② 中性脂肪値
血糖値と中性脂肪地は食事をとることによって大きく変動します。これらは血液検査からわかるもので、通常は空腹時に行われます。
基準値も空腹前提の数値です。血糖は4~5時間、中性脂肪は10時間以上絶食をしておかなければ正確な数値は出ません。
朝ごはんを食べた後での健康診断受診にメリットはある!
実は朝ごはんを食べた後に健康診断を受けるメリットが2つあります。本来は朝ごはんを抜いて健康診断を受けるのが常識ですが、あながちデメリットばかりでもありません。
ポイント
朝ご飯を食べて健康診断を受けるメリット
・「隠れ糖尿病」を発見できる
・「食後高脂血症」のリスクが発見できる
順に解説していきます。
糖尿病の初期段階は空腹時の血糖値は正常でも、食後の血糖値だけが高い場合もあります。空腹時だけの血糖値では初期段階の糖尿病を見逃してしまう可能性があります。
健康な人の場合は血糖値はだいたい食後2時間も経てば140mg/dl未満に下がりますが、隠れ糖尿病では食後の血糖値がなかなか下がりません。食後2時間以上で血糖値が140mg未満であれば問題ないですが、それ以上になれば「隠れ糖尿病」となります。
そして、中性脂肪に関しては10時間以上何も食べていない状態で150mg/dl未満を基準としています。しかし、普段私たちが日常生活の中で空腹になっている時間はわずかです。ほとんどの時間が非空腹時といえます。
空腹時よりも非空腹時に採血した中性脂肪の方が、心欠陥病の発症とよく相関することが明らかになっています。実は欧州の健康ガイドラインでは脂質検査の採血は空腹時ではなく非空腹時に行い、中性脂肪の基準は175mg/dl未満とされています。
食後の2~4時間後の中性脂肪値が最も「食後高脂血症」のリスクを反映します。
食後の健康診断にもメリットはあります!